映画をより深く読み解く為のサブストーリー
機動戦士ガンダムF91プリクエルとは?
1991年3月16日に松竹系で劇場公開されたガンダムシリーズのアニメーション映画、
『機動戦士ガンダムF91』の富野由悠季原作の前日譚小説をコミカライズした作品。
宇宙世紀0122…幻の白いF91が登場し語られなかったクロスボーン•バンガードの創設や
主人公「シーブック•アノー」とヒロイン「セシリー•フェアチャイルド」との関係についてなど
秘話が紐解かれる。
物語
大きな戦乱も無く人類はその大半が地球から月までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、
地球連邦政府という国家の枠組みを超えた全地球規模の組織に統治されていた。
しかし、長く敵対勢力がいなくなった地球連邦政府は腐敗の一途をたどっていき、
政府は地球に住む民間人を摘発し、宇宙へ締め出ししていた。
政府高官は特権階級の専横により地球に当然のように住み続け、地球の環境は悪化し続けていた。
これに対しブッホ・コンツェルンの総帥、マイッツァー・ロナは「人の上に立つべき者は、人々の規範となるような高貴な精神を持つ者でなければならない」とする思想「コスモ貴族主義」を掲げ、
堕落の温床となる既得権益を排除した能力重視の階級制度によって社会を立て直すために、地球連邦政府の打倒を画策し、
秘密裏に軍事組織 クロスボーン・バンガード(※C・V)を設立していた。
学生文化祭の企画準備をしつつ学校のマドンナ、セシリーとひょんなことから接点を持ったシーブックは、
フロンティアサイドの新興スペースコロニー「フロンティアIV」を急襲してくる鉄仮面、
ドレル・ロナに率いられた武装集団の戦火に巻き込まれていく。
この漫画の見どころ
劇場版で端折られていたシーンが描かれているためより映画が深く読み取れるのが見どころだ。
そもそも『機動戦士ガンダムF91』と言う作品は『機動戦士ガンダム』の映画化10周年を記念して制作された、
劇場用オリジナル作品だ。
当初TVシリーズ構成案(13話まで)が完成していたが、スケジュール的に1990年4月スタートのテレビは無理ということになったため、10月中旬に映画で行くことが決まり、まだ話の途中の構成案のラストだけを切りのいいように監督がいじってそのまま劇場版の第1次プロットに転用した異質な作品である。
しかしその映像クオリティは素晴らしく新しいガンダムとして唯一無二と入っても過言ではない。
だがシーンの移り変わりや物語を劇場版の尺にあわせて作成しているため、
やや駆け足な展開が続いてしまう作品でもあるのだ。
だが『機動戦士ガンダムF91プリクエル』と言う作品はその駆け足になり端折られたシーンを、
細かく物語にしてくれているためよりキャクター同士の関係性やクロスボーン・バンガードがなぜ創設されたかなどを、
知られざる秘話を読み取れるのでもう一度劇場版を観た際に背景を連想して鑑賞できるのが一番の見どころだろう。
筆者が「機動戦士ガンダムF91プリクエル」を勧める理由
前提として筆者は『機動戦士ガンダムF91』という作品が大好きだ。
ユニークなデザインのMS(モビルスーツ)達、細かい描写の戦闘シーンクオリティの高い映像技術、音響、
どれをとっても素晴らしい作品だ。
故にストーリーのテンポの速さからキャラクターへの愛着やMSへの印象が薄くなってしまうのが残念でならない。
『機動戦士ガンダムF91プリクエル』はそういった薄くなってしまったキャラクター達の関係性や主人公と両親への確執、
政府の腐敗の姿など様々な角度から描いてくれている。
私はシーブックとセシリーの出会いとなぜ冒頭で2人は揉めていたのかという謎を知れたのが興味深かった。
きっと劇場版で同じく疑問の残った視聴者も多かったに違いない。
この作品は『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の 作画「おおのじゅんじ」さんによって描かれているので読みやすく、
疑問を払拭するのに貢献する作品であることは間違い無いだろう。
ぜひ『機動戦士ガンダムF91プリクエル』を手に取りもう一度『機動戦士ガンダムF91』という作品を観てほしい。
10倍面白く見れるだろう
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