これは悪魔との相乗りを選択した探偵の物語
風都探偵とは?
『風都探偵』(ふうとたんてい)は、原作:石ノ森章太郎、脚本:三条陸、作画:佐藤まさきによる『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)2017年より連載中のマンガ作品。『仮面ライダーW』テレビシリーズの続編にあたる外伝作品だ。
単行本はビッグスピリッツコミックスから刊行されており、2023年10月時点の累計部数は250万部を突破している。
物語
小さな幸せも、大きな不幸も、常に風が運んでくる風の街・風都。翔太郎とフィリップはその風都で鳴海探偵事務所に所属する私立探偵である。「街を泣かせる悪党は許さない」というふたりの元に、今日も数々の超常的な事件が持ち込まれる。
ミュージアムの崩壊から数年彼らは今日も風都の街を守っていた。
そんなある日T字路の魔女に恋をしたという男が尋ねてくる。
この事件をきっかけに新たな「仮面ライダーW」の物語と翔太郎、フィリップそして謎の美女ときめの物語が始まる。
この漫画の見どころ
過去の特撮番組「仮面ライダーW」の設定をそのまま生かしているところがこの漫画の見どころだろう。
例を出すなら亜樹子が既婚者であるなど『オーズ&ダブル』以降の設定を引き継いでいるほか、サブタイトルのフォーマットもテレビシリーズのそれに準拠している。
一方、翔太郎とフィリップは作者の「似顔絵になっちゃダメだ」というこだわりから、それぞれ俳優のままではなく独特の容姿となっている。とはいえその立ち振る舞いやセリフは当時の出演者を連想させる。
掲載が青年誌であるためテレビシリーズでは不可能だった女性の裸体描写や人体の損壊描写も盛り込まれ、実写では特撮でも実現困難なデザインのドーパントが登場するなどの差異も散見される実写では特撮でも実現困難なデザインのドーパントが登場するなどの差異も散見される。
だからこそ子供向けだった作品がよりシリアスかつコミカルに描かれる作品となっているところが魅力だ。
またストーリーで言うならば2人で探偵業をしている主人公達が「メモリー」と言う超常の力を与えるアイテムを巡って
難事件に立ち向かう物語だ。
事件を解くミステリーパートとその超常の力を得た犯人と戦うために仮面ライダーとして戦うバトルパートが良いバランスで描かれているため読んでいてとても気持ちが良く、ハードボイルドなかっこよさのある世界観がよりこの作品の魅力を引き立てているだろう。
筆者が「風都探偵」を勧める理由
『仮面ライダーW』は2009年〜2010年の放送終了から様々な同シリーズ映画作品などでその後が度々描かれるが
ここまでハッキリとしたスピンオフ作品は同仮面ライダー作品では殆どないだろう。
その中で彼らがあの最終回の後どのような人生を歩んだのかを、
かつて子供だった自分が「大人」の目線で彼らと共に事件を追うことができる素晴らしい作品が「風都探偵」だと私は思う。
かつて『仮面ライダーW』を見ていた人たちも見ていなかった人たちも楽しむことができ、
街とそこに住む人々を守る正義のヒーローというブレない存在に心が躍ることだろう。
これは個人感だがこの作品と筆者が出会ったのは2019年の時だった。
気になり1巻を購入し約10年ぶりに「さぁ、お前の罪を数えろ!」というセリフを読んだ時、
何とも言えない懐かしさと熱く心が躍ったのをよく覚えている。
ぜひこれを機にハードボイルドな本編その後の仮面ライダーを読んでほしい。
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